こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
私は、仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しています。
出張所は、栗原市と山形県米沢市にございます。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。
今回の独り言のテーマは「母の不在」です。
昨日お茶を飲みながらの“カフェ&トーク”をご近所の方々数人でしました。
その中のAさんは、「やさしい心理学講座」を受講され、セラピーを受けた経験のある方です。そのAさんのお話です。50代のAさんは、お子さん三人を育てあげ、約2年前、実母を亡くされました。

「昨日、父の所に行ってきたんです。」と話を始めた時、Bさんが冷たい牛乳をどうぞと出してくれました。喉が渇いていたので、早速ゴクゴクと頂きました。飲んでいる途中に、コップを見つめて、「これよねぇ。チチはチチでもチチ違いだったわぁ。」「甘くて、おいしい!!」「父の所にいったんだけど、なんとなく淋しくて。」と言ったのです。「なんで淋しいのかわからなかったの。」
Aさんのお父さんは普段は家族といらっしゃいますが、Aさんが行った日は一人だったそうです。
「淋しかったなぁ。今、二人でご飯を食べるっていいなぁ。」と言われたのだそうです。「これまでで初めてこんな事を言われたのは・・・。」とAさん。
そして、小さい頃の話をしてくれました。Aさんのお家は一家あげて自営業をしていました。Aさんが生まれてから、1年と9か月後に弟さんが生まれました。それから、Aさんは主に祖父母といるほうが小学校4年まで多かったそうです。Aさんのお母さんは母乳がよく出た方で、Aさんの同級生にも分けてあげていたほどだったそうです。小学校4年の時に祖父母とは別に暮らすようになったそうです。Aさんのおかあさんは体が弱く、お父さんがご飯の支度をしていたのを覚えているそうです。
「今思うと母を母として見ていなかった ように思います。」とAさん。
ひとしきりそのような話をしてから、「父の所にいったんだけど、なんとなく淋しかったのは、母がいないからだったんですねぇ。」としみじ言っていました。
コップの中の白い牛乳を見て、牛乳→ミルク→母乳→母・・・という連想が瞬時の内にAさんの中で起こっていたのでしょう。「父はチチでも乳違いだったわぁ。」ということでした。
やはり、いくつになっても母は母・・・なんですね。
Aさんも今では、お孫さんがいるおばあちゃん。お孫さんとの最近の出来事を話している顔はとても楽しそうでした。そして、「最近娘にやさしくなったね、と言われたんです。」とうれしそうでした。
「ミルキィ~はママの味~♪」というコマーシャルがありました。確かにこの飴は甘くてミルクの味がしっかりしています。
母=ミルク(母乳)=甘い!!
「実家に行って、おっぱい、いっぱい飲んできた?」という会話をしたり、聞いたりしたことがありますか?つまり、甘えてきましたか?という事です。家庭によるかもしれませんが、いくつになっても久し振りに娘・息子が帰ってくることがわかると、父母は好物を作ったり、買ってきたりして子どもをもてなします。すると、子供は食を通して癒され満足します。まさに、故郷の味であり、お袋の味が心を癒すのだと思います。
ここでも、また、食=母を語らずにはいられません。月刊精神分析・こころの栄養講座をご覧になってみてください。
Aさんは牛乳の甘い味から母を思い出し、その場に母の不在に寂しさを感じ、その不在ゆえに母を感じたのでしょう。また、一方では、幼き頃の母の不在を思いおこし、幼き頃の寂しさをまた思い出したのでもあると思います。
それは、一歳9ヶ月から小学校4年生まで、祖父母が傍にいてくれたようですが、やはりそれは母は母。母が傍にいない寂しさは少なからずあったのでしょう。母が与える満足はなにものにも代えがたいものなのです。「父はチチでも乳違い」なんてゴロ合わせのようですが、Aさんには深い意味があったのです。小さければ、小さいほど母の不在は幼子の心に影を少なからず落としてしまいます。子育て中の方は、どうか母の不在がなきようにとせつに願っています。
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インテグレーター(精神分析家) 幸司 満月
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