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分析家の独り言 file22 母の死~対象喪失~

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しております。
栗原市と山形県米沢市に相談所があり、出張いたします。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。

今日も痛ましい事故がありました。
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ハイキング中の6歳児滑落死、救助試みた男性も!12日午前10時半頃、山形県上山市蔵王の仙人沢で、ハイキング中の同市北町、会社員前田浩一さん(44)の長男で保育園児の大輝(ひろき)ちゃん(6)が登山道から足を踏み外して約50メートル下の沢に転落、助けようとした同所、無職木村芳弘さん(54)も滑落した。
              ~yahooニュース(読売新聞)より引用~

ご両親やハイキングに参加をされた方々の心中いかばかりかと・・・・。
亡くなったお二人のご冥福をお祈りいたします。


折しも今日、Aさんから下記の質問をいただきました。
「母が亡くなった時から最近まで、悲しいという思いがなかったのです。でも、昨晩、急に幼き頃を思い出して、涙がこぼれました。(夢の中?)そして、母を呼び続け、泣きじゃくったのです。どうしたんでしょうか私?」

おかあさんが亡くなって1年以上経っています。

愛情・依存の対象である、おかあさんが亡くなるということを対象喪失といいます。
また、失恋や住み慣れた場所から変わるとか様々な環境の変化(愛着がある場合)によっても対象喪失をします。

人は、対象を失ったことによる分離不安と見棄てられた不安、そして悲哀の苦痛から、逃れようとします。また、自らの死の不安と自己愛の傷付きから、自分を防衛しようとします。

Aさんは、母がなくなったことを受け入れられず、母の死の否定または、否認をしていたのではないかと思います。そうする事で、悲しみから逃れていたのではないかと思います。

なにか、心の変化があり、母の死を受け入れはじめたのではないでしょうか。


悲哀の仕事!

人は対象喪失から、立ち直るためには『悲哀の仕事』が必要です。
亡くなった人、物、事への心の囚われを一つ一つ解決することで、現実を受け入れ、心が前向きになっていきます。

○喪失(母の死)の事実とその状況を理解し受け入れ、対処します。
○失った対象への愛情などを取り消します。
 遺品などを消却したり、焼却したりなど片付けます。
○それぞれの情緒的な生活を再開し、新しい関係を作ります。


人や大事な物や事に愛情が深ければ、深いほど人の心は傷付きます。
それが故、立ち直っていく事で人は強くなり成長し、愛する心も育っていきます。

それにつけても、今日のニュースになった、6歳の男児のご家族の事を思うと、居た堪れない気持ちになります。

セラピールーム燦燦HPです。

インテグレーター  幸司 満月

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2009年07月12日 23:18に投稿されたエントリーのページです。

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