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分析家の独り言 file32 母性と依存

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しております。
栗原市と山形県米沢市に相談所があり、出張いたします。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。
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livedoorのピックアップテーマが
《麻薬を必要としない社会はどうしたらできる》
というものでした。

社会の単位を小さくしていくと、家庭が小さな単位だと思い
ます。また、社会全体を考えるとさまざまな事が関わってくる
ので、個人で考えてみたいと思います。

≪母性と基本的信頼と安心≫
●母性を持っているということ。
 
 幼児はほとんど母(養育者)に依存して生きなければならない状況から、母を従う 人にしてしまいます。そのことの事実を母がどこまで受け入れられるか、すなわち 献身的なれるかが養育において問いかけられていることなのです。それをしっかり 応えられる人が、母性を持っているということになります。

乳幼児はコミュニケーションとしての、言葉を持っていないので、泣いたり、体の動きで自己表現をします。その乳幼児の表現の意味を読み取って適切な対応を母(養育者)は求められます。

乳幼児は「快食・快眠・快便」によって社会に対する最初の信頼を持ちます。
この時、母(養育者)により、『敏速かつ的確』に応答されることが必要です。
そして、乳幼児に対して愛着をもって、やさしく見つめるまなざしが必要なのです。

抱っこや沐浴・入浴によっての乳幼児の全身をやさしくスキンシップし、授乳時には、~ながらではなく、愛あるまなざしを持って乳幼児の満足のいく授乳をし、お尻をきれいにするということで、乳幼児は母子間で人としての基本的信頼を得ることができ、自己肯定感を得ることができます。安心を得られるのです。

また、母と子は母が養育された時の行為と自分の行為を見比べたり、真似したり、逆らったりしながら、養育者の属性(本質的な特徴)を食物を体内に摂り入れるように、自己の裡(なかに)へと取り込むことを概念(本質をつかむ思考)化していきます。最初の一体化です。


≪甘えと依存≫
 
 乳幼児の時に、基本的信頼を学ぶことに失敗した時、不信を学び、希望を失ってしまいます。人生の最初に不信と失望を味わってしまったら・・・。
未熟な心のままで大人になってしまいます。そして、『甘えと依存』を心につくり、永遠に満足することのない状態に陥ってしまいます。
母との一体化ができなかったが故、母との一体化を求めつづけます。
また、その欲望は、酒、たばこ、麻薬、過食、大ぼらふきなどであらわされます。
母との一体化を目指して、薬物などに依存してしまうのです。母との愛着と信頼を築けなかったことと、一体化できなかった事での不安から、母への≪しがみつき≫を依存という形であらわすのです。

社会的に経済的に不安な社会情勢が続いています。その中で生きている私大人もなにかしらの不安を抱えて生きています。
でも、これからの日本を思う時、生まれてきた赤ちゃんが今の青少年が次世代を担っていくのです。

今、子育て中の皆さんに、是非、お子さん方が、生き生きとして生きていけるよう、心がしっかり育つよう、乳児期の心の交流、スキンシップを大切にしていただきたいと思います。そして、オールOKの子育てをおすすめいたします。

参考サイト

オールOK!子育て法

一人一人の心が健康に育っていけば、薬物に依存することもなくなっていくでしょう。一人一人の集まりが、家庭・地域・社会をつくっているのですから。

今、すぐ≪麻薬を必要としない社会≫は難しいかもしれません。
今、自分自身が何かに依存しつつそれが苦しみとなっているという方は、自分自身を見つめる勇気があれば自己を変容することはできます。

また、お子さんが苦しんでいる方は、育て直しをする勇気があれば、親子で変わることができます。

今日のピックアップテーマから、こんな風に考えました。
 

セラピールーム燦燦HPです。


インテグレーター  幸司 満月

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2009年08月09日 22:49に投稿されたエントリーのページです。

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