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分析家の独り言 file33 依存する母

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しております。
栗原市と山形県米沢市に相談所があり、出張いたします。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。
aa5fd108.jpglivedoorニュースを見ていたら、こんな記事を見つけました。
【アジア発!Breaking News】コカインを胃袋に隠した女が病院で知った事実。
2009年08月10日07時00分 / 提供:Techinsight Japan
6日、ドイツのフランクフルト空港にて、コカインをつめた袋を飲み込んでドイツに入国しようとしたタイ人の女が拘束された。女は、胃袋からコカインの袋を取り出すため病院に連れていかれたが、そこで新たな事実を知ることになる。ブラジルからドイツのフランクフルト空港に到着したこの女(推定:30歳)は、その挙動不審な態度から、空港にてX線検査を受けることになった。すると、女の胃袋には、かなりの数の不審な袋が入っていることが確認された。そのため、その場で女の身柄は拘束されるとともに、病院へ連行されて胃袋からそれが取り出されることになった。病院にて胃袋から袋を取り出してみると、8グラムのコカインがつめられた袋が41袋あった。合計328グラムのコカインが確認されたのである。しかし、病院の調べで分かったことは、それだけではなかった。実はこの女、妊娠をしていたのである。本人も妊娠のことは知らなかったため、非常に驚いているという。ただし医師は、コカインの入った袋を飲み込んでいたことは、母子の健康に非常に悪い影響を及ぼす恐れがあるとしている。今後この女をどのように取り扱うべきか、ドイツの警察はタイ大使館と協議を行っているという。妊娠というめでたい事実を、このようなかたちで知るということになろうとは。まさに後悔先に立たずである。

なんとも・・・。
胃は食べ物を消化するところであって、詰め込むところではないのに・・。
41袋のコカインの袋で満足したのだろうかと・・・んんん、苦しくなかったのかしら・・・。
そうまでしても、コカインが必要だったということですね。


母子間で、安心と信頼が得られていない場合、大きな不安を抱えたままで、人生を送ることになります。基底不安といいます。
不安が高いと緊張が高くなります。その緊張を緩めるために、人それぞれさまざまな事によって緩めようとします。
眠ることだったり、よく食べることだったり、たくさんお酒を飲むとか、薬(麻薬や睡眠薬など)に頼るとか、シンナーを吸ってみたりなどです。
それが過ぎると、依存症であり、中毒になってしまいます。


ニュースの女性は、拘束されたことで、妊娠を知ったわけですが、それまでは胎児を意識していなかったことになりますよね。
しかも、コカインを大量に胃袋に抱えていたので、胎児への影響もあるかもしれないということです。
妊娠中の女性が摂取した場合、早産、流産、胎児の死亡などの影響があったり、脳や心臓などに影響を与え、落ち着きがないとか、食物を摂取しないとか、呼吸や脈拍がはやいとか、睡眠が不規則になったりなどの影響があるそうです。コカインベービーとよばれるのだとか。


もし、女性が無事出産されたとします。すでに、コカインに依存しているということは、女性自身が母にしっかり養育をされていないのではないかと推察いたします。
とすると、生まれた子に与えつづけ、養育をするのは困難なのではないかと思います。女性自身が心の危機だったり、心の空虚だったり、心の問題を抱えているからこそコカインを欲してしまったのだと思います。それを解決しない限り、養育の段階でその心を子に伝えてしまうからです。マイナス面の大きい世代連鎖となります。

心の問題を解決し、母としてお子さんを育てていけるようになっていただければと思います。

セラピールーム燦燦HPです。

インテグレーター  幸司 満月

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2009年08月10日 20:07に投稿されたエントリーのページです。

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