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分析家の独り言 file37 20世紀少年を観て!

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しております。
栗原市と山形県米沢市に相談所があり、出張いたします。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。
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20世紀少年の三部作目、《最終章》ぼくらの旗を観ました。
1作目は観ましたが、2作目は残念ながら観ていません。
ストーリーについては、まだご覧になっていない方もいると思いますので書かない事にします。
でも、ウィキペディアでは詳しく載っています。興味のある方はこちらをどうぞ。かなり詳しいです。

Wikipedia 20世紀少年


その中で気になった場面がありました。

後に、『ともだち』になった少年の場面でした。

中学生?位の時に、学校の屋上でのことです。
彼は、一人でいました。それも、屋上の端に・・・です。
「必要?必要じゃない?」
「社会に必要?必要じゃない?」
「必要?必要じゃない?」と繰り返し呟いています。
そして、屋上の端に足をかけてたところで、学校のスピーカーからあの曲が流れてきました。
T・レックスの「20th Century Boy」。そして、踏みとどまったのです。

小学生時代、いじめにあい、かなり辛い小学生時代を過ごしたようです。
教室に入ると自分の机の上に、「死」の落書きや白い花の活けられた花瓶が置いてあったり、無視されたり・・・等。

また、大人になってからの台詞。
「僕はいいのに、社会は・・・。」たしか、自分はOKなのに、社会に受け入れられないというような台詞だったように思います。

自分の存在の不確かさ・・・。

1、「私はOK」「あなたはOK」
2、「私はOK」「あなたはOKでない」
3、「私はOKでない」「あなたはOK」
4、「私はOKでない」「あなたはOKでない」

台詞からみると、2番目の「私はOK」「あなたはOKでない」ということになります。
“自分は犠牲になっている。虐待されている”“自分が不幸で惨めなのはみんな人のせいだ。”という思い方をしてしまうということになります。
「おまえの人生は大したことはない」と感じてしまうのです。

なるほど、ストーリーの中でかなり残虐でした。

いじめにあったところからしか描かれていなかったので、親子関係はわかりませんが、「私はOK」「あなたはOKでない」という心はどこで培われてしまったのか・・・。

それは、赤ちゃんの時から始まっています。
母が愛のまなざしと赤ちゃんの要求に適確・適切に応じて育てた場合に健康的な精神に成長します。そして、その子は幸福感を持ち、自己存在価値観をもち、自分を認め、相手も認め双方がOKの人間関係を築くことができるようになるのです。

自分は受け入れられていないと思ってしまうのは、母に眼差しを向けられなかったとか、抱っこしてほしいのにしてもらえなかったとか、泣いても無視されていた、充分に触れられなかった、いつも要求のタイミングをはずされていた等など・・・によってです。

映画の中のことではありますが、現実の中でもあることではないかと思います。

最近の事件です。自分を受け入れ、受け入れられていると思っていたら、女子中学生が二人で自らの命を絶つということはなかったでしょう・・・。

心の、だれにも言えない心の苦しみ・・・。

しかし、命は大切です。大事な大切な命には変わりありません。

大切な命!!

20世紀少年を観て、その中の台詞が気になりつらつらと書きました。


全体的におもしろく、いろんな場面があったのですが、佐野史郎さん扮する大人のヤン坊・マー坊と「ハロハロ音頭」の春波夫役の古田さんの姿が妙に記憶に残りました。

今、いじめの問題もたくさんあり、自殺を図ってしまう若者もたくさんいます。そして、いじめられたからと言って他人の命を奪ってしまうという事件もたくさんあります。いじめるのも、いじめられるのも理由はあります。

【20世紀少年《最終章》ぼくらの旗】を最後まで観ると、いじめの問題の解決の手掛かりになるようなそんな感じがしました。

セラピールーム燦燦HPです。

インテグレーター 幸司 満月

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2009年09月03日 23:40に投稿されたエントリーのページです。

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