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2009年11月 アーカイブ

2009年11月09日

分析家の独り言 file55 抜毛~愛情喪失~

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
仙台市宮城野区でセラピールーム燦燦を主宰しております。
栗原市と山形県米沢市に相談所があり、出張いたします。
精神分析に関わって16年のキャリアがあります。
522c91e6.jpgかなり前になりますが、目の前で自分の髪の毛を抜き始めて

しまう人がいました。

その方は障害をもっている方でした。とても不思議

な光景に見えたのです。

自分は学生時代に髪の毛が抜けて悩んでいたので、大事な

髪の毛を抜くという行為に「もったいない」という感情が湧きました。


抜毛は『死との戯れ』であると学びました。


ある女子学生が自分の髪の毛を抜いてしまうというのです。その方のお母さまがどう

したらよいものかと悩みました。

抜毛という行為の前にも、自傷行為が見られたとのことでした。その女子学生はしば

らく前からサインを出していたのです。


自分の身体を自分で傷つけるということは、自分の生命を傷つけるということで、

「生」と「死」に関係します。


幼い時に母子関係において何らかの事情で愛情喪失を味わい、孤独だったり、情緒が

不安定であり、被害者意識が高くまた攻撃的であったり、葛藤や欲求不満に耐えがた

かったりなどで、それを髪の毛を抜いたり、他の自傷行為で表していることになりま

す。


よく聞くとそのお母様も幼き頃、母子関係における愛情をたっぷりと受けていない様

子でした。心の発達を成し遂げられず、その時代に獲得するものを獲得できえずに仕

事をしながらの子育てによって、二代に渡って愛情喪失が伝わり、結果「死との戯

れ」と言われる行為を行い、その行為によって心の叫びを気づいてほしいと訴えてい

るのです。


今、その女子学生は子供のようにお母さまに甘えてきているといいます。

そのまま、本人が満足いくまでしっかり甘えさせて、オールOKし、失われた愛情を

与え尽くしていただきたいと思います。

育て直しができます。

満足し、愛情を与え尽くされれば、子は必ず自立を成しえます。

生か死かと心が行ったり来たりではなく、生きる、自分は価値ある人間だと実感でき

るようになるのです。

セラピールーム燦燦HPです。

インテグレーター 幸司 満月

セラピールーム燦燦では、
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 日時 11月 10日  14:00~16:00
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2009年11月10日

分析家の独り言 file56 母の情緒

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
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あるお母様からの質問です。

「授乳中に妊娠がわかりましたので、断乳しました。いかがな

ものなのでしょうか?」


赤ちゃんは、おかあさんの心は読めないのですが、お母さん

の情緒はわかります。つまり、お母さんの感情はわかります。

人間は気分的存在と言われます。常になんらかの気分に左右されます。ですから、情

緒は一定ではありません。その情緒が一定でないものを不安定といいます。

どれだけの情緒で抱っこして母乳を与えるかが大事です。赤ちゃんの顔をしっかり見

て、目を見つめて喜びを感じながら飲ませることが大切です。それによって赤ちゃん

にとっての母乳の味がきまるのです。


母の情緒が安定して与えた母乳によって赤ちゃんは満足をしります。

安定した情緒で眼差しを向けて赤ちゃんの目を見つめて授乳することが大切なのです

が、これを怠るとその後、対人恐怖症になる傾向があります。

それから、嫁姑問題を抱えていたりして母親の情緒が不安定だったりすると、母乳は

毒となり、満足を得られず夜泣きがひどかったり、自家中毒を起こしやすくなったり

してしまいます。それほど、授乳する時の母の心の状態が大切なのです。


赤ちゃんは身体的にも情緒的にも満足がいく授乳を受けて心と体が発達します。

ミルクでも抱っこして、母親の情緒が安定し、まなざしを向けて飲ませれば大丈夫で

す。くれぐれも、布団に寝かせて哺乳瓶を預けっぱなしで・・・というのは止めてい

ただきたいと思います。


断乳したことで、赤ちゃんは身体的・心的満足は得られるのか?また妊娠したことで

母親の情緒はどうか?などが関係すると思います。

また、妊娠したとして、断乳せず授乳を続けてもという医師もいらっしゃるようで

す。


家族構成、仕事、家事、地域など様々な家庭環境があり、心の安定を図るにも大変な

ことも多いでしょう。

授乳中の方はせめて授乳時だけでも、穏やかな安定した情緒で授乳していただきたい

と思います。大げさではなく、それがその赤ちゃんの将来の心の持ちようにも関係し

ていくのですから。


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2009年11月11日

分析家の独り言 file57  母と赤ちゃんの絆!

こんにちは、精神分析家の幸司満月です。
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2222a40e.jpg今日は全国的に雨・・。山茶花梅雨なのだそうです。山茶花の

咲く頃に連続して雨がふる事をそう呼ぶのだそうです。

冬を告げる雨なんですね。

街中を歩く若いおかあさんの姿を見て、なんとなく違和感を感

じたのです。

おぶって歩いているのですが、見た感じリュックを背負って、

手にはタバコを持って吸いながら歩いているという風に見え

ました。リュックじゃない、赤ちゃんがいたんです。肩からズ

ルッと下がっていて赤ちゃんが荷物に見えてしまうのです。

そのおかあさんは、かなり若かったように思います。

おかあさん、赤ちゃん・・おんぶしているん・・・ですよね・・?!


さて、妊娠中の話です。

母親とお腹の赤ちゃんはいつもコミュニケーションしています。

お腹の中に居る時から、しっかり赤ちゃんの存在を母親が意識することが必要です。

そんな事当たり前と思うかもしれませんが、意識している人ばかりではありません。

中にはまるで妊娠中ではなく普段と同じように生活している人・・・タバコ、夜更か

し、母体の冷え等に対処していない服装、深酒、ドラック等などをし続けているよう

なことは、決して意識しているとは言えないのではないでしょうか。


母体が強い不安に襲われた場合、その不安により視床下部は内分泌系と自律神経に命

令を送り、化学作用を起こし神経ホルモンを分泌させます。それは、胎児におよび、

「身体精神現象」を起こします。

この学習は、「母の不安」→神経ホルモン→胎児ホルモンに作用し→不安を起こさせ

ます。それで、その経験は記憶をなり、逆方向の「精神身体現象」を産むのです。


つまり、母の不安が胎児にホルモンによって伝えられ胎児が不安になる、その記憶に

よって、不安になるとホルモンが身体に作用し、身体症状がでるというようになって

いくというのです。この時に赤ちゃん自身、いいしれぬ不安を感じるようになってし

まうのです。


母と赤ちゃんの絆。

「きずな」は母の胎児への愛情と理解の二つです。

これは、4カ月頃から始まって、8カ月頃には完結すると言われています。

そして、三つのチャンネルで交流するのです。

「生理的コミュニケーション」
「動作によるコミュニケーション」
「共感によるコミュニケーション」の三つです。

胎教として、いい音楽を聴き、美しいものを見たり、おいしいものを食べたり、感動

をしたり・・。

そこには、必ず、母が「赤ちゃんも一緒ね」という意識が必要なのです。


生まれてからの、敏速・的確・まなざしとオールOKの子育ても必要です。

生まれる前も母と赤ちゃんは交流し、母と子の絆が培われています。


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2009年11月26日

分析家の独り言 file58 赤ちゃんの食事!

47fdb3e7.jpg


数日前のことです。

子育て中のAさんからの質問がありました。

☆子供(乳児)がおっぱいを飲まないのです。


詳しくは聞けなかったのですが、Aさんが結婚する以前の話です。

Aさんは、Aさんのお母さんが作る食事を食べたくないと言って食べないことがあっ

たそうなのです。


食は母です。

食を拒むというのは、母を拒んでいると捉えることができます。愛と憎しみの関係障

害を克服できないところからくる、無意識の表現といえます。即ち受け容れ難い母に

対する敵意と憎しみ、排除の心が母=食を拒むことになるのです。


Aさんは、母の作る食事を拒むことで母を拒んでいたのでしょう。


授乳の仕方によって、赤ちゃんは母の心を自分を好きか嫌いかと判断します。適時的

確に敏速に赤ちゃんの要求に応えられればよいのですが、そうでないと、赤ちゃんは

嫌われていると受け取ってしまいます。


Aさんのお子さんが母乳を飲まない、飲めないのは、母であるAさん自身が母を受け

入れなくなるような対応で育ったのではないかと考えられます。心地よい母乳を飲ん

でいなかったのかもしれません。

詳しくは、

こころの栄養講座

ご覧ください。

母を拒むAさんの無意識が赤ちゃんに伝わり、母乳を飲まないと考えられます。


母を拒む自分の無意識に気づき、今、自分が母であり、赤ちゃんにとって母乳が身体

そして心の栄養だということを意識して、育児に当たることが大切だと思います。

赤ちゃんの心身の発達は日々の母の対応如何によって、発達状態が変わります。

敏速・的確・愛の眼差しを向け、オールOKの子育てをお薦めいたします。

参考サイト ラカン精神科学研究所

オールOK!子育て法

健全に心身共の進化を遂げていきたいものです。

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